後遺症対処法の第1回目は『長引く全身倦怠感』についてです。

◎全身のだるさ・疲れやすさへの対処法

これらの症状は慢性疲労症候群と呼ばれるものと似ていると言われています。慢性疲労症候群もウイルス感染症が原因と言われているため、新型コロナウイルス感染症のあとに慢性疲労症候群が発症すると考えてよいと思います。対処法ですが、まずは倦怠感の理由が、本当にほかの病気で起こっていないかを採血などの検査で確認する必要があります。その結果、異常なしと判断されたのであれば、漢方薬や安定剤、鎮痛剤やビタミン剤などのお薬に加えて、認知行動療法や運動療法といった心療内科的なアプローチが有効と言われています。その中で、特に大事なことが、無理をしないこと。しんどい時にはゆっくり休む。十分休養をとって、体の中にエネルギーが充満してきたのを感じたら、それを一日で使い切るのではなく、少しゆとりをもって一日の活動量をセーブしておくこと。長い目で見ると焦らないことが結局回復への近道と言われています。見た目は何ともないので、どうして怠けているの？と思われがちなのですが、しんどいのは自分にしかわかりません。こんな病気があるんだと多くの人にわかってもらえるように我々医療者も、周囲の方々に啓蒙していく必要があります。