『原因はなんですか?』
がんなどの重大な病気にかかっていることが分かったときに、患者さんからかなりの確率で聞かれる質問です。答えは・・・・『わかりません。』 と言うことがほとんどです。これだけ医療技術が進歩しても根本の原因が解明されている病気は、ごくごくわずかです。
とはいえ、わからないと言っては身も蓋もないので、発がんに関して今までわかっていることを紹介していきたいと思います。
基本的に‘がん’は、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさって起こるものとされています。現在のところ、遺伝的なことは自分で変えることはできないので、自分の生活環境を見直してがんを予防するほかありません。非常に大雑把な言い方をすると、多くの‘がん’は各臓器に慢性的な『炎症』が起こることで、細胞の修復や再生にミスが生じて発症します。『炎症』の多くが、細菌やウイルス、喫煙や飲酒、偏った食生活や心身のストレスなどで引き起こされるため、これらの要因を取り除くことが大事です。言い換えると、ご自身の体質や生活環境では、どんな‘がん’に注意するべきなのかを知っていれば、やみくもにすべての‘がん’を恐れることはないという事です。古くから『敵を知り己を知れば百戦危うからず』といいます。まずは各臓器・危険因子ごとの‘がん’の好物を知り、自分の体質を理解することが、効率的ながん予防・早期発見につながります。
これからしばらくは日本人に多いがんについて、生活習慣の注意点や早期発見のポイントをお伝えしていきます。